Letter 構造生物学:生きた細胞中での個々のHIV-1ウイルス粒子の生成の画像化 2008年7月10日 Nature 454, 7201 doi: 10.1038/nature06998 生きた細胞中で個々のウイルス粒子を観察することで、ウイルスの付着、侵入、細胞内での輸送が明らかになってきた。しかし、個々のウイルス粒子の組み立てがこれまでリアルタイムで観察されたことはなかった。この過程を知る手がかりは主に、ウイルス粒子集団の生化学的な解析や固定した感染細胞の顕微鏡観察を通して得られてきたものである。したがって、ウイルス粒子の組み立てに関するいくつかの特性、例えば、動態や位置については明らかでなく、議論の余地もあった。本論文では、粒子形成の開始から出芽および放出に至るまでの、個々のウイルス粒子の生成過程を定量的にリアルタイムで示す。GagはHIV-1の主要な構造成分で、これだけで十分にウイルス様粒子の形成を駆動できるが、このGagの蛍光タンパク質標識をつけた誘導体を、生きている細胞中で蛍光共鳴エネルギー移動、光退色後の蛍光回復、および全反射照明蛍光顕微鏡を用いて調べた。ウイルス粒子は個別に細胞膜に現れ、その形成速度は細胞内にGagタンパク質が蓄積するにつれて上昇した。1つのウイルス粒子を形成が完了するのに通常5〜6分を要した。これらの方法により、これまで観察できなかった個々のウイルス粒子の生成を視覚化でき、従来の方法では不可能だったウイルス粒子の組み立てに関するパラメーターの測定が可能となる。 Full Text PDF 目次へ戻る