Letter

心理:社会的多様性は公共財ゲームでの協力行動の出現を促進する

Nature 454, 7201 doi: 10.1038/nature06940

ヒトは、公共財ゲームや、家族の問題から地球温暖化に至るさまざまな状況において、しばしば協力する。しかしながら進化のゲーム理論では、公共の利益を無視しようとする衝動が、共同的な協力行動に勝る場合がほとんどであると予測されており、経済学の実験においてもそのような結果がしばしばみられる。今回我々は、このパラドックスのようなものから抜け出す道が社会的多様性によって得られる仕組みを示す。現在までのところ、各個人はあらゆる点で同等なものとして扱われており、至るところに多様性が存在するような現実社会の状況とは大きく異なっている。我々は、不均質グラフ(heterogeneous graph)を用いることで社会的多様性を導入し、各個人が参加する公共財ゲームの数とサイズや、こうしたゲームそれぞれへの個人の関与に付随する多様性によって、協力行動が促進されることを示す。社会的絆がスケールフリー分布に従うとき、各個人がかかわる公共財ゲームがどれほど多かろうと、すべての個人が一定量の貢献をすると期待される場合ならいつでも、協力行動が促進される。今回の結果は、個人の評判と処罰に基づくメカニズムが存在しなくても協力行動が出現することを説明する助けになると考えられる。評判と処罰に社会的多様性を組み合わせることで、社会的共同体の自己組織化とその経済的意味を理解するのに役立つ手がかりが得られるだろう。

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