Letter

医工学:義手を大脳皮質活動で制御して餌をとる

Nature 453, 7198 doi: 10.1038/nature06996

腕の運動は、大脳皮質運動野から記録されたニューロン集団でかなり忠実に表現される。脳・機械インターフェースという新分野では、皮質活動パターンを用いて、コンピューター画面上のカーソルを二次元や三次元空間内で移動させることができる。カーソルを動かす機能それ自体も有用ではあるが、この技術は、腕の切断手術を受けた患者や麻痺患者で腕や手の機能を回復させることにも利用できるだろう。しかし、皮質の活動信号を用いて、多関節の義手を物理環境と直接リアルタイムで相互作用させるための制御を行うこと(身体化)は、まだ実現していない。本論文では、身体化された義手制御を可能にするシステムを報告し、マカクザル(Macaca mulatta)が、餌をとる課題で運動野の活動を使って機械製のレプリカ腕を制御する様子を示す。サルの皮質信号によって、三次元的な運動ばかりでなく、腕の先の把持部もそれに釣り合うように制御された。この新規の課題は、サルとロボット腕と作業空間内の対象物との間の物理的相互作用を含むため、従来の仮想的な運動(カーソル制御)の実験に比べて難度が高い。従来の実験では、単純な一次元的制御の例は別として、ロボット腕や手が制御ループ内に含まれている場合であっても、被験者はロボット腕や手を使って実体のある対象物と相互作用していなかったため、物理的な相互作用が欠落していた。この種の相互作用は、完全にシミュレートすることができない。今回の多自由度身体化義手制御の実証により、本来の腕や手の機能に近い機能水準を究極的に達成した巧緻な人工装具の開発に向かう道筋がつけられた。

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