Letter 植物:胚形成初期に根幹細胞の指定を行うサイトカイニンとオーキシンとの相互作用 2008年6月19日 Nature 453, 7198 doi: 10.1038/nature06943 植物のすべての器官の源である幹細胞プールが最初に確立されるのは、胚の形成時である。培養組織では、サイトカイニンとオーキシンとの相互作用が器官再生を制御していることは、数十年前から知られている。オーキシンは、接合体からの胚の形成時に根幹細胞の指定に重要な役割を担っているが、サイトカイニンの初期胚での機能は不明である。今回我々は、in vivoのサイトカイニン出力すべてを可視化するための合成レポーターを導入した。最初の胚のシグナルは、根の幹細胞系の始原細胞である原根層で検出される。静止中心のもとになる根端側の娘細胞はリン酸リレー活性を維持するが、基底部の娘細胞はシグナル伝達の出力を抑制する。しかし、オーキシン活性レベルの特徴は逆である。さらに、オーキシンは、サイトカイニンシグナル伝達のフィードバック抑制因子であるARABIDOPSIS RESPONSE REGULATOR遺伝子のARR7およびARR15の転写を直接活性化することにより、基底部細胞系統のサイトカイニン出力を打ち消すことがわかった。胚形成初期にARR7およびARR15の機能が消失したり、基底部細胞で異所的にサイトカイニンシグナル伝達が行われたりすると、根幹細胞系には異常が生ずる。今回の結果から、最初の根幹細胞ニッチの指定に不可欠な、オーキシンとサイトカイニンとの一時的で拮抗的な相互作用に関する分子モデルが得られる。 Full Text PDF 目次へ戻る