Letter 細胞:細胞分裂後期の中間帯でのオーロラB活性化により、細胞内にリン酸化勾配が生じる 2008年6月19日 Nature 453, 7198 doi: 10.1038/nature06923 細胞の中身を2個の娘細胞間に適切に分配するには、空間的および時間的合図の統合が必要である。紡錘体の中間帯に自己整列する細胞分裂後期の微小管群が、分離する染色体の中間に細胞分裂面が配置されるのにかかわっている。しかし、このシグナルが、中間帯から細胞表層までのマイクロメートル規模の距離でどのように伝達されるのかはまだわかっていない。今回我々は、有糸分裂の重要な制御因子であるオーロラBキナーゼによるタンパク質リン酸化の、細胞分裂後期における動態を生きたHeLa細胞で蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)センサーとオーロラBの天然基質の免疫蛍光を用いて調べた。染色体およびセントロメアを標的としたセンサーを用いて、リン酸化動態の定量的解析を行ったところ、変化は主として分裂軸に沿った位置によっており、時間によるものではないことがわかった。このような動態によって、後期の早い時期に紡錘体中間帯を中心として、リン酸化の空間勾配が形成される。この勾配は、オーロラBを活性化する一部の微小管群のところへのオーロラBの移動によっている。オーロラキナーゼの活性が、標的となる微小管を組織化して、構造を基盤にしたフィードバックループを形成させる。このように、オーロラBキナーゼの活性化と中間帯にある微小管の間のフィードバックによって翻訳後標識であるリン酸化に勾配が生じ、これが、細胞分裂後期や細胞質分裂時に起こる事象に空間情報を提供しているものと考えられる。 Full Text PDF 目次へ戻る