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心理:リスクを負う行動に対する確実性の相反する影響と知覚精度

Nature 453, 7197 doi: 10.1038/nature06841

「確実性効果」は、意思決定者における期待効用理論からの著しい逸脱である。これは、二者択一の場合に、よい結果が確実に得られるのであれば、ヒトは安全な方を選択する傾向があることを示している(例えば、0.8の確率で貨幣4枚のもうけがあるよりも、確実に3枚のもうけがある方が好まれるが、3枚のもうけを得る確率が0.25で、4枚のもうけを得る確率が0.2である場合には、3枚の方が好まれるわけではない)。確実性効果の概念は、経験に基づく意思決定に関するラットの後続研究で他の動物にも拡張されたことから、さまざまな種およびさまざまな意思決定メカニズムに当てはまる一般的なものであると考えられてきた。しかし、ヒトを対象としてこの研究を再現しようとした試みでは、意外な「逆確実性効果(reversed certainty effect)」が認められた。すなわち、確実性と関連づけて考察した場合、安全な選択肢が好まれる傾向が低くなったのである(ヒトは、確実に3枚のもうけを得るよりも、0.8の確率で貨幣4枚のもうけを得る方を好む)。本論文では、この相反する結果が知覚ノイズによって説明でき、知覚精度の低下によって確実性効果を実験的に回復可能であることを示す。ヒトおよびセイヨウミツバチ(Apis mellifera)での相補実験では、経験に基づく仕事の知覚精度を操作することにより、確実性効果と逆確実性効果の双方がヒトおよび他の動物で認められ、報酬の差異が識別困難な場合には確実性効果が現れるが、識別が容易な場合には逆確実性効果が現れることがわかった。今回の結果は、適合行動の単純な過程モデルに当てはまり、経験に基づいて繰り返し意思決定を行うヒトおよびその他の動物の確実性効果を説明することができる。このメカニズムは、記述に基づく単一の問題でヒトが示した当初の確実性効果にかかわるメカニズムとは区別されるべきであろう。

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