Letter 進化:ヨーロッパ最古の人類 2008年3月27日 Nature 452, 7186 doi: 10.1038/nature06815 ヨーロッパ最古の人類の居住は、古人類学の中で最も議論の多い問題の1つである。しかし、ユーラシア最古といわれる更新世初期の遺跡は年代が十分正確には特定されておらず、発見されているのは石器であって人骨の化石ではない。本論文では、シマ・デル・エレファンテ遺跡(スペイン、アタプエルカ)のTE9層で、様式1の石器と人類による加工の痕跡が残る動物化石の一括遺物とともに、人類の下顎骨が見つかったことを報告する。TE9層の年代は、古地磁気法、宇宙線生成核種法、および生層序法を併用した結果、更新世初期(約1.2 Myr〜1.1 Myr前)と特定されている。これによってシマ・デル・エレファンテ遺跡は、我々の知るかぎり、ヨーロッパで最も古く、最も正確に年代が特定された人類居住の記録となった。この人類下顎骨の研究からは、西ヨーロッパの最初の定住がアフリカからの初期の人口流出と関連する可能性が示唆される。別のアタプエルカ遺跡(グラン・ドリナのTD6層)で既に得られている知見とあわせ、今回の新たな証拠は、更新世初期にユーラシア大陸の辺縁地で種分化が起こり、TE9およびTD6の人類に代表される人類系統が生じた可能性をも示唆している。 Full Text PDF 目次へ戻る