Article 遺伝:遺伝子発現の遺伝学と疾患に対するその影響 2008年3月27日 Nature 452, 7186 doi: 10.1038/nature06758 ヒトの一般的な疾患は、多くの遺伝子と環境要因との相互作用によって引き起こされる。したがって、これらの疾患の複雑性と病因の解明には、より総合的な生物学アプローチが必要となる。我々は、肥満などのヒトの一般的疾患の複雑性を解明するために、大きな人口集団から得た血液と脂肪組織のコホートで23,720種の転写物の発現を解析し、臨床的肥満に関連する形質など、さまざまな表現型について包括的に評価した。血液での発現プロファイルとは対照的に、脂肪組織での遺伝子発現と肥満関連形質との間には高い相関があることがわかった。ゲノム全域にわたる連鎖マッピングと関連マッピングから、遺伝子発現形質に極めて重要な遺伝子成分が明らかになった。これには、近位(シス)のシグナルによる強い遺伝的影響も含まれ、プロファイリングした2種類の組織間で50%のシスシグナルの重なり合いがみられた。本論文では、ヒトの脂肪組織データから構築した広範な転写ネットワークを明らかにする。このネットワークは、マウスの脂肪組織データから構築した同様のネットワークモジュールとかなりの重なり合いがみられる。ヒトとマウスのコアネットワークモジュールは、炎症反応と免疫応答に関与する遺伝子に富み、肥満関連形質に原因として関与していることが明らかになった。 Full Text PDF 目次へ戻る