Letter

視覚:上向きの動きに応答する網膜細胞群の分子同定

Nature 452, 7186 doi: 10.1038/nature06739

網膜にはニューロンの複雑な回路が含まれており、視覚入力から特徴的な情報を抽出している。光受容器細胞からの信号は、網膜介在ニューロンにより処理されて網膜神経節細胞(RGC)により統合され、RGC軸索を介して脳へと送られる。異なる視覚特性、例えば光強度の増加や減少、色、物体の動きなどは、別々のタイプのRGCが応答する(光強度の増減の場合は、それぞれON細胞とOFF細胞が応答)。つまり、RGCは目から脳へ向けて平行処理経路を作っている。RGCのサブセットを識別する分子マーカーが見つかれば、その構造と機能の関連づけや、シナプス入力源や出力標的を同定したり、細胞の多様性を調べたりするのに役立つだろう。今回我々は、トランスジェニック標識法を用いて、マウスのOFF型RGCの従来知られていなかったクラスをJAM-B(junctional adhesion molecule B)で標識することができた。この細胞は、網膜全体にわたって背腹方向に並ぶ非対称な樹枝状突起をもっている。この細胞は受容野も非対称的で、細胞体から樹状突起に向かって動く刺激に対して選択的に応答する。外界の像はレンズによって網膜上で反転するから、この細胞は視野内で上に向かう動きを検出することになる。したがって、JAM-Bによって、構造と機能が見事に対応する独自なRGC集団が同定された。

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