Letter 細胞:SIRT6はヒストンH3リシン9デアセチラーゼで、テロメアのクロマチンを修飾する 2008年3月27日 Nature 452, 7186 doi: 10.1038/nature06736 Sir2デアセチラーゼは、出芽酵母(Saccharomyces cerevisiae)ではクロマチンサイレンシングと寿命を制御する。マウスでは、Sir2ファミリーに属するSIRT6が欠乏すると寿命が短くなり、早老症に似た表現型を呈する。しかし、SIRT6の分子レベルの作用機構は不明である。SIRT6はクロマチン関連タンパク質だが、クロマチンにかかわるSIRT6の酵素活性はまだ見つかっておらず、また、SIRT6の生理的基質もわかっていない。今回我々は、ヒトSIRT6が、テロメアのクロマチンを修飾するNAD+依存性ヒストンH3リシン9(H3K9)デアセチラーゼであることを示す。SIRT6は特異的にテロメアに結合し、SIRT6が大幅に減少するとテロメアの機能不全が起こり、染色体の末端どうしの融合や細胞の早期老化が起こる。また、SIRT6がわずかしかない細胞では、早老症の1つウェルナー症候群にみられる欠陥によく似たテロメア構造の異常が認められる。テロメアのクロマチンでは、SIRT6はH3K9を脱アセチル化し、ウェルナー症候群で変異しているWRNという因子の安定な結合に必要である。我々は、SIRT6が哺乳類テロメアの特殊なクロマチン状態の伝搬に寄与し、それがテロメアの適切な代謝と機能に必要であると考える。今回の知見によりSIRT6の生理的酵素活性が初めて同定され、SIRT6によるクロマチンの制御とテロメア維持やヒト早老症との関連が明らかになった。 Full Text PDF 目次へ戻る