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進化:米国ワイオミング州で出土した始新世前期の原始的コウモリと飛翔および反響定位の進化

Nature 451, 7180 doi: 10.1038/nature06549

コウモリ(翼手類)は哺乳類のなかで適応放散の規模および多様性が最大級であり、現生哺乳類種の5分の1を占めている。最近の研究ではコウモリの単系統性が疑う余地なく裏付けられ、現生系統間の進化的類縁関係に関して統一見解が急速に形成されつつあるが、コウモリの化石記録は5,000万年にわたっており、この分類群の初期進化についてはまだ十分に解明されていない。本論文では、米国ワイオミング州で始新世前期のグリーンリバー累層から出土した、既知のいかなるコウモリと比較しても原始的な特徴をもつ新種のコウモリ化石について報告する。コウモリが羽ばたき飛翔および反響定位に至った進化経路に関しては論争が続いており、この生活様式の大変化に至った移行過程を明らかにする上で化石はこれまであまり役立っていなかった。系統発生情報に基づいて、今回の新たな分類群をほかのコウモリおよび飛ばない哺乳類と比較することから、形態および機能の重要な変化は徐々に進化したものであることが明らかになる。前肢の解剖学的構造は、この新種コウモリがほかの始新世コウモリと同様に動力飛行ができたことを示しているが、耳の形態は反響定位能力の欠如を示唆しており、翼手類の進化に関する「飛翔先行」仮説の裏付けとなる。翼の形状は、波打つように滑空と羽ばたきを繰り返す飛翔方式がコウモリにとって原始的なものであった可能性を示唆している。また、後肢の長い蹴爪の存在は、広い尾膜は翼手類で初期に進化したもので、おそらく獲物を捕らえるための道具ではなく付加的なエーロフォイルとして機能していたことを示している。四肢の比率やすべての指に爪があることから、この新種のコウモリが身軽に木を登る動物であり、四足歩行や木の枝にぶら下がる習性があった可能性が示される。

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