Letter 生化学:p300/CBP転写コアクチベーターによるタンパク質アセチル化の構造基盤 2008年2月14日 Nature 451, 7180 doi: 10.1038/nature06546 転写コアクチベーターp300/CBP(CREBBP)はヒストンアセチルトランスフェラーゼ(HAT)で、ヒストンや他の転写因子のアセチル化により遺伝子発現を調節する。p300/CBPのHAT活性の調節異常は、がんを始め、さまざまな病気の一因となる。p300/CBPに関するアミノ酸アラインメント、酵素学的実験や阻害剤を使った研究からは、その触媒機構やGcn5/PCAF、MYST HATとの構造的な近縁性について矛盾した結果が得られている。今回我々は、二基質阻害剤Lys-CoAと複合体を形成した半合成p300 HATドメイン・ヘテロ2量体の高分解能でのX線結晶構造を報告する。この構造から、p300/CBPは構造が明らかになっている他のHATとの関連性は低いとわかり、その広い基質特異性や基質周辺の塩基性残基があると結合しやすい傾向などの説明となるいくつかの新しい性質が明らかになった。この構造や得られた他の生化学データから、p300/CBPは他の既知のHATとは異なる独特の「ヒットエンドラン」(Theorell-Chance)触媒機構を持つと考えられる。p300 HATの病気と関連するいくつかの突然変異も、この構造から容易に説明できる。今回の研究により、p300/CBPのHAT活性の調節などの新たなエピジェネティックな治療に道が開けるだろう。 Full Text PDF 目次へ戻る