Letter

生理:古細菌由来RNAポリメラーゼのX線結晶構造

Nature 451, 7180 doi: 10.1038/nature06530

古細菌の転写装置は、真核生物のRNAPIIを使う装置が簡略化されたものと考えられ、RNAポリメラーゼ(RNAP)II様酵素と2種類の一般的な転写因子であるTATA結合タンパク質(TBP)および真核生物TFIIBのオーソログであるTFBからなる。細胞中のRNAPの結晶構造を詳細に比較すれば、すべての酵素に共通する構造要素が明らかになり、こうした考察は、古細菌、真正細菌、真核生物というドメインに特異的な遺伝子発現を可能にしている各酵素構成成分の解析に役立つだろうと考えられる。しかし、古細菌のRNAPについては各サブユニットの構造しか得られていなかった。今回我々は、Sulfolobus solfataricus由来の古細菌RNAPの分解能3.4 Åでの結晶構造を初めて報告する。これによって、複数サブユニットから構成されるRNAPの構造が、生物界の3ドメインすべてから出揃った。また、古細菌RNAPのD/Lサブ複合体の高分解能結晶構造(1.76 Å)も報告し、鉄‐硫黄(Fe-S)クラスターを持つRNAPに関する初の実験的証拠を示す。このFe-Sクラスターは、RNAPの会合に重要なサブユニット中で構造上の役割を果たしているらしい。古細菌のRNAPと真核細胞のRNAPIIの構造に著しい類似性が見られることは、より単純な古細菌RNAPは真核生物での転写の分子的基盤を分析するためのモデル系に好適であることがはっきりした。

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