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近年の北極域の温暖化の鉛直構造

Nature 451, 7174 doi: 10.1038/nature06502

ここ数十年にわたって、北極域における地表面付近の温暖化は、全球平均のほぼ2倍という大きさで、この現象は「北極増幅(Arctic amplification)」として知られている。この気温増幅を引き起こす原因は、よくわかっていない。最近数十年間で起こった雪氷面積の減少が、その一因である可能性がある。気候モデル実験は、全球の気温が上昇すると北極域の雪氷面が後退し、極域で過度の温暖化が起こることを示している。雪氷面積の減少はアルベドを変化させ、寒候季における海氷の再凍結増加と海氷の厚さの減少は、共に海洋から大気への熱フラックスを増加させる。一方、海洋循環と大気循環の変化も、雲量の変化と同様に、北極の気温増幅を起こすと考えられている。本論文では、再解析データを用いて、20世紀後半の北極域気温変化の鉛直構造を調べ、地表面よりずっと上空での気温増幅の証拠を見いだした。雪氷からのフィードバックは、1年の大半にわたる上空の温暖化の主要な原因だとは考えにくい。なぜなら、こうしたフィードバックは大気最下層の気温に主に影響すると予想され、春期のみに観測される温暖化パターンをもたらすからである。それゆえ、観測された気温増幅のかなりの部分は、大気最下層より上空の温暖化を引き起こす機構によって説明されなければならない。我々は、北極域の温度場を、北極域への大気のエネルギー輸送から回帰推定し、夏季には温暖化の鉛直構造のかなりの部分が、この変数の変化によって説明できることがわかった。したがって、大気の熱輸送の変化が、近年の北極域での気温増幅の重要な原因である可能性がある。

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