Letter

スルフィレドキシン-ペルオキシレドキシン複合体の構造から明らかになった修復に必要な包囲的構造

Nature 451, 7174 doi: 10.1038/nature06415

典型的な2-Cysペルオキシレドキシン(Prx)は、過酸化水素を介した細胞のシグナル伝達の調節に重要な役割を果たしている。この過程でPrxは、活性部位のCys残基がCysスルフィン酸へと過酸化されることにより、不活性化される。修飾を受けたこの部分が、スルフィレドキシン(Srx)によって独自の修復を受けるとペルオキシダーゼ活性が回復し、シグナル伝達が終了する。過酸化型Prxは安定な十量体構造として存在し、それぞれの活性部位は中に埋まった形になっている。したがって、Srxがどのようにしてスルフィン酸部分に近づくのかは不明である。本論文では、ヒトSrx-PrxI複合体の分解能2.6 Åでの結晶構造を報告する。この複合体では、Prxのカルボキシ末端が完全にほどけて、Srxの活性部位から離れてSrxの後ろ側にはりつくという予想外の構造をとっている。この相互作用面に部位特異的突然変異を導入した変異体の結合解析と活性の分析から、ペルオキシダーゼの活性回復には、この相互作用が必要なことが明らかになった。また、Prx活性部位の再配置により、PrxのGly-Gly-Leu-GlyとSrxのATP結合モチーフが並ぶようになることがわかり、これは構造面からの触媒機構の解明に向けた第一歩といえる。また今回の結果から、ここで観察された相互作用様式は、Prxに結合する他のタンパク質にも共通する可能性が示唆される。

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