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グループIイントロンに結合したチロシルtRNA合成酵素スプライシング因子の構造

Nature 451, 7174 doi: 10.1038/nature06413

「RNAワールド」仮説では、当初RNAが果たしていた構造および酵素機能が進化の間にタンパク質に受け継がれ、やがてタンパク質が生体触媒の主体になったと考える。この過程は最近の生物界でもみられ、リボソームやRNアーゼPなどのリボザイムがタンパク質依存性RNA触媒(RNPザイム[RNPzyme])に進化してきた。同様に、グループIイントロンはRNA触媒によるスプライシング反応を使っているが、多くは、触媒活性をもつRNA構造を安定化するタンパク質に結合したRNPザイムとして働く。そのようなタンパク質の1つであるアカパンカビ(Neurospora crassa)のミトコンドリアチロシルtRNA合成酵素(TyrRS; CYT-18)は2通りの機能をもち、ミトコンドリアtRNATyrのアミノアシル化と、ミトコンドリアグループIイントロンのスプライシング促進の両方を行う。今回我々は、スプライシング活性をもつカルボキシ末端短縮CYT-18に結合したTwort orf142-I2グループIイントロンリボザイム共結晶の分解能4.5 Åでの構造を決定した。この構造から、グループIイントロンが、tRNATyrが結合するのとは別の、新たに進化したRNA結合表面をもつホモ二量体タンパク質の2つのサブユニットにわたって結合していることが示される。このRNA結合表面は、イントロンRNAの保存された触媒コアのホスホジエステル骨格に対して、広がった足場を提供しており、タンパク質が広範な種類のグループIイントロンのスプライシングを促進できるようになっている。スプライシング活性のない細菌TyrRSと比べると、グループIイントロン結合表面には、小さな挿入が3カ所と追加された構造適応がみられ、スプライシング機能への多段階適応があったことを示している。今回の共結晶構造から、CYT-18がグループIイントロンのスプライシングを促進する仕組み、この機能を獲得するまでの進化、RNAワールドからRNPワールドへの移行の際にタンパク質が徐々にRNA構造を置換していった状況についての手掛かりが得られる。

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