Letter 免疫:抑制性サイトカインであるIL-35は調節性T細胞の機能に寄与する 2007年11月22日 Nature 450, 7169 doi: 10.1038/nature06306 調節性T(Treg)細胞は、CD4+ T細胞に属する重要な細胞集団で、自己寛容の維持および自己免疫の防止、喘息や炎症性腸疾患などの慢性炎症性疾患の抑制、および恒常的なリンパ球増殖の調節に不可欠である。しかし、Treg細胞は、寄生生物やウイルスに対する自然免疫応答や、治療ワクチンによって引き起こされる抗腫瘍免疫も抑制してしまう。そこでTreg機能の操作は免疫療法の重要な目標となっているが、Treg細胞抑制活性を仲介する分子はほとんど知られていない。本論文では、IL-27βをコードするEbi3(Epstein-Barr-virus-induced gene 3)とIL-12α/p35をコードするインターロイキン-12α(Il12a)は、マウスのFoxp3+(forkhead box P3)Treg細胞に高度に発現しているが、休止状態あるいは活性化状態のエフェクターCD4+ T(Teff)細胞には発現していないこと、また、Ebi3-IL-12αのヘテロ二量体は、Tregから構成的に分泌されているが、Teffからは分泌されていないことを示す。Ebi3とIl12aの両方のメッセンジャーRNAは、Teff細胞と共培養したTreg細胞で非常に発現が亢進しており、その結果、in transでEbi3とIL-12αの産生が増大している。このサイトカインの産生がTreg細胞に限定されるのは、Ebi3が、Treg細胞の発生と機能に必要な転写因子であるFoxp3の下流の標的であるからである。Ebi3−/−およびIl12a−/− Treg細胞は、in vitroでの調節活性がかなり低下しており、また、in vivoでは恒常的な増殖を制御できず、炎症性腸疾患を治癒できない。このような表現型の特徴は、他のIL-12ファミリーのサイトカインのものとは異なっているため、このEbi3-IL-12αのヘテロ二量体型新規サイトカインはインターロイキン-35(IL-35)と呼ばれている。IL-35の異所的発現によって、ナイーブT細胞が調節活性をもつようになる一方、組み換え型IL-35はT細胞の増殖を抑制する。これらのデータを総合すると、IL-35は、Treg細胞特異的に産生されている可能性がある新規抑制性サイトカインであり、抑制活性を最大にするのに必要であることが明らかになった。 Full Text PDF 目次へ戻る