Letter 心理:言語能力獲得前の乳児による社会的判定 2007年11月22日 Nature 450, 7169 doi: 10.1038/nature06288 他者を評価する能力は、社会の中をうまく渡っていくのに不可欠な能力である。ヒトは、周囲の人々の行動や意図を判断し、誰が味方で誰が敵か、どの人が適切な社会的パートナーで、どの人が違うかを正しく見極められなくてはならない。実際、あらゆる社会的動物は、同種の個体の中から自分を助けてくれる可能性のある個体を見つけ出し、自分に害を及ぼす可能性のある個体をそうでない個体から見分ける能力をもち、そうした能力の恩恵を受けている。成人は、他者を行動と身体的特徴に基づいてすばやく自動的に判断するが、この判定能力の個体発生的起源と発達についてはよくわかっていない。今回我々は、生後6カ月と10カ月の乳児が、ある個人が自分にとって魅力的な人物であるか避けるべき人物であるかを判断する際に、その人の第三者に対する行動を考慮することを明らかにする。乳児は、第三者を妨害する人よりも第三者を助ける人に、中立的な人よりも第三者を助ける人に、第三者を妨害する人よりも中立的な人に好感をもつ。これらの知見は、言語能力獲得前の乳児が、個人の第三者に対する行動を基準にしてその人を評価していることの証明といえる。この能力は道徳的思考、行動の基盤となっている可能性があり、これが発達の初期に現れることは、社会的判定が生物学的適応であるという見解の裏付けとなる。 Full Text PDF 目次へ戻る