Letter 微生物:食材性高等シロアリの後腸微生物叢のメタゲノムおよび機能解析 2007年11月22日 Nature 450, 7169 doi: 10.1038/nature06269 リグノセルロース分解に用いられている多様な生物学的機構の解明をさらに進めることには、基礎研究およびバイオテクノロジーの両観点から大きな関心が寄せられている。シロアリは、木材腐朽生物群のうちで世界的に隆盛を極めているものの1つであり、そのため、環境中の炭素代謝回転に重要な役割を果たしているとともに、木材をバイオ燃料に変換するための研究での生化学的触媒の供給源としての可能性も重要である。セルロースおよびキシランの加水分解にシロアリ腸内の共生細菌が直接的役割を担っていることを裏付けるデータが得られたのは、ごく最近のことである。本研究では、食材性「高等」種のNasutitermes(この種はセルロースを発酵する原生動物をもたない)の後腸前方の肥大部に存在する細菌群集のメタゲノム解析により、セルロースおよびキシランの加水分解にかかわる膨大で多様な細菌遺伝子群の存在を明らかにする。これらの遺伝子の多くはin vivoでの発現、あるいはin vitroでのセルラーゼ活性が認められたが、さらなる解析から腸でのリグノセルロース分解へのスピロヘータおよび糸状菌種の関与が示された。植物性リグノセルロース分解を行うために特殊化した微生物群集の分解系全体を対象に初めて行われた今回の遺伝子解析では、水素代謝や二酸化炭素還元的酢酸生成、窒素固定などの他の重要な共生機能に関しても新たな手掛かりが得られた。この結果は、わずか1マイクロリットルの環境ですら極めて複雑なものになりうることをはっきり示している。 Full Text PDF 目次へ戻る