Letter 海洋:CO2値の高い海洋での生物による炭素消費量の増加 2007年11月22日 Nature 450, 7169 doi: 10.1038/nature06267 産業革命前の時代以降に化石燃料使用によって大気中に放出された二酸化炭素(CO2)のほぼ半分は海洋が吸収しており、そのため海水のpHはかなり低下し炭酸塩の飽和が生じている。現在の速度でCO2の放出量が増加し続けるならば、海洋上層のpHは数千万年間続いてきた値よりも低くなるだろう。そして重大なことに、変化の速度は、この数千万年間のどの時代と比べても100倍となる。最近の研究は、さまざまな海洋生物、中でも石灰化する生物に対する海洋酸性化の影響を明らかにしている。これとは対照的に、群集から生態系レベルでの影響は、ほとんどわかっていない。本論文では、メソコスム実験系内で、最初のCO2分圧を350、700、1050 µatmにして飼育した自然プランクトン群集の溶存無機炭素の消費量が、CO2濃度上昇と共に増すことを示す。プランクトン群集は、上昇したCO2分圧下で、現在の値と比較して最大で39 %多く溶存無機炭素を消費したが、栄養塩の取り込み量は同じままであった。窒素の消耗に対する炭素の化学量論的数値は、低CO2では6.0だったのが高CO2では8.0へと増加し、現在の海洋における6.6のレッドフィールド炭素:窒素比を上回った。この超過した炭素消費量は、成層したメソコスムの上層からの有機炭素のより大きい消失と結びついていた。今回観察された応答は、自然環境に適用できるとすれば、海洋のさまざまな生物学的および生物地球化学的過程にかかわりがあり、海洋で生物により駆動されるフィードバックが地球全体の変動に重要であることをはっきり示している。 Full Text PDF 目次へ戻る