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細胞:高等植物における光防御的エネルギー散逸機構の同定

Nature 450, 7169 doi: 10.1038/nature06262

植物の葉緑体膜にある効率的な集光アンテナは、過剰な太陽光という条件下では、光から防御された消光状態に急速かつ可逆的に切り替わり、傷害を与える可能性のある吸収エネルギーを熱として放散する。この過程はクロロフィル蛍光の非光化学的消光(qE)として観測される。qEの生物学的重要性は確立されているが、そこで働く分子機構はまだはっきりしない。主要な集光性複合体であるLHCIIは、コンホメーション変化による散逸状態への変換を起こす能力をもともと備えており、これがqEの分子基盤を成すと考えられてきたが、同様の事象がin vivoで起こるのかどうか、また、この状態でエネルギーが散逸する仕組みは不明である。共鳴ラマン分光法を用いて、散逸状態への変換には、LHCII結合カロテノイドであるネオキサンチンの立体配置のねじれが伴うことが突き止められている。今回我々は、単離した葉緑体と葉そのものにこの手法を適用し、同じネオキサンチンの立体配置変化がin vivoでエネルギー散逸の大きさと一致する程度に起こっていることを示す。散逸状態にある精製LHCIIについてフェムト秒過渡吸収分光法で調べたところ、エネルギーはクロロフィルaよりエネルギーレベルが低いカロテノイドの励起状態に移動することが示され、このカロテノイドはLHCIIの2個のルテインの一方(ルテイン1)と同定された。したがって、LHCIIのコンホメーション変化がin vivoで起こり、それによって結合したカロテノイドへの移動によるエネルギー散逸への道が開かれることが実験で実証された。我々は、これが光防御の基本的な機構だと考えている。

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