Article 生理:ヒトβ2アドレナリン作動性Gタンパク質共役型受容体の結晶構造 2007年11月15日 Nature 450, 7168 doi: 10.1038/nature06325 ホルモンおよび神経伝達物質に対するGタンパク質共役型受容体(GPCR)は、本来の存在量が少なく、構造上固有の柔軟性があり、界面活性剤溶液中で不安定であるために、構造解析が難しい。今回我々は、ヒトβ2アドレナリン受容体(β2AR)の構造を報告する。β2ARは、インバースアゴニスト(逆作用薬)に結合した状態および細胞内第三ループに結合するFabと複合体を作った状態で、脂質環境中で結晶化させたものである。回折データは高輝度微結晶構造解析により収集し、それぞれの構造を分解能3.4 Åおよび3.7 Åで決定した。β2AR膜貫通領域の細胞質側末端および結合ループの構造は明確に確認できたが、β2ARの細胞外領域の構造は確認できなかった。β2ARの構造は、膜貫通ヘリックス(TM)3およびTM6の細胞質側末端間の、保存されているE/DRY配列がかかわる相互作用がロドプシンに比べて弱い点が、ロドプシンと異なっている。こうした差異が、β2ARの基本的活性が比較的高くかつ構造が不安定なことの原因である可能性があり、またこれは、ロドプシン以外のGPCRで回折実験に使用可能な品質の結晶の作製が難しいことの一因かもしれない。 Full Text PDF 目次へ戻る