Letter 神経:ヒポクレチンニューロンの光遺伝学的制御によって調べた覚醒の神経学的基盤 2007年11月15日 Nature 450, 7168 doi: 10.1038/nature06310 前視床下部などの睡眠促進領域と、後視床下部、前脳基底部、および脳幹にある覚醒システムとの間の相互作用は、睡眠の神経学的基盤となっている。視床下部外側野でヒポクレチン(Hcrt、オレキシンとしても知られる)を産生するニューロンは、覚醒の安定化に重要であり、Hcrtの機能喪失がナルコレプシーと関連があるとされてきた。しかし、Hcrtニューロンに生じる電気的活性は、それだけで睡眠状態から覚醒への移行に十分なのか、あるいは、単に相関関係があるだけなのかは明らかにされてない。本論文では、自由に動けるマウスで、in vivoでの神経への光刺激、Hcrt細胞へのチャネルロドプシン-2の遺伝的ターゲティング、並びに脳深部に光を到達させるために光ファイバーを用いた視床下部外側野への光の直接照射により、Hcrtニューロンの活性が睡眠状態の推移に及ぼす影響を直接的に調べた。我々は、Hcrtニューロンの直接的選択的な光遺伝学的光刺激は、徐波睡眠またはレム睡眠のどちらからも覚醒に移行する可能性を増大させることを見いだした。特に、5〜30 Hzの光パルス列を連続的に照射する光刺激は覚醒までの潜時を短縮したが、1 Hzのパルス列照射では短縮しなかったことは注目に値する。今回の研究は、遺伝的に決定された神経細胞型の周波数依存的な活性と、臨床状態および神経行動学的生理機能の中心となる、哺乳類の特定の行動との間の因果関係を確立するものである。 Full Text PDF 目次へ戻る