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生化学:RNA依存性RNAポリメラーゼII活性の分子基盤

Nature 450, 7168 doi: 10.1038/nature06290

RNAポリメラーゼ(Pol)IIは、遺伝子転写の際にDNAに依存したRNA合成を触媒する。しかし、Pol IIはRNA依存性のRNAポリメラーゼ(RdRP)活性ももつという証拠がある。Pol IIはホモポリマーRNAを鋳型とすることができ、DNA非存在下でRNAを数ヌクレオチド分伸長可能で、デルタ肝炎ウイルス(HDV)や植物ウイルス粒子のRNAゲノムの複製に関係しているとみられてきた。今回我々は、純粋なポリメラーゼ活性だけをもつPol II、すなわちRNA鋳型-産物の足場にヌクレオチド三リン酸(NTP)を結合させたものが、本来的にRdRP活性をもつことを示す。結晶構造から、鋳型-産物二重鎖は、転写の際にDNA-RNAハイブリッドが占める部位にあることがわかった。RdRP活性は転写の際に用いられる活性部位にあるが、DNA依存活性よりも遅く、反応は進みにくい。RdRP活性はHDVのアンチゲノムの一部によっても得られる。転写因子IIS(TFIIS)とPol IIの複合体はHDVの一本鎖を開裂させることができ、ハイブリッド部位に反応性に富むステムループを作り出し、新たなRNA3′末端を伸長させる。5′末端側が長い短いRNAステムループは活性に十分であるが、臨界長に達すると明らかに進行が妨げられる。Pol IIのRdRP活性は、Pol IIがRNAゲノムを複製する太古の複製酵素から進化したことを示唆していることから、分子進化のミッシングリンクであると考えられる。

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