Letter 進化:クオラムセンシングを行う細菌個体群にみられる協力と対立 2007年11月15日 Nature 450, 7168 doi: 10.1038/nature06279 細菌の菌体は、クオラムセンシング(quorum sensing;QS、菌体密度の感知)としてよく知られている過程で低分子量の拡散性シグナル分子の放出・感知により、情報交換していると考えられている。一般に、QSは個体群レベルでの協力行動を調整するために使われていると考えられている。しかし、進化理論からは、情報交換と協力を行う菌体は搾取作用を受けることがあると予測される。今回我々は、日和見感染をする緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)で実験的にQSの社会進化を調べ、QSは集団レベルでは利益をもたらすことがあるが、搾取型の菌体は、QSシグナルを作り出すコストやQSにより調整される協力行動をとるコストを回避することができ、したがって、そのような菌体が増殖・拡散可能となることを示す。また、相互作用をする菌体の血縁度が近い傾向にある場合、搾取の問題に対する解決策の1つは血縁選択であることも示す。これらの結果から、動物のコミュニケーションに関する研究において注目されている搾取の問題が、細菌でも起こっていることが明らかになった。 Full Text PDF 目次へ戻る