Letter 発生:神経幹細胞からニューロンへの分化におけるSMRTを介したH3K27デメチラーゼの抑制 2007年11月15日 Nature 450, 7168 doi: 10.1038/nature06270 神経幹細胞の状態を維持するために不可欠な一連の転写因子がこれまでに同定されてきたが、神経幹細胞の状態維持と初期の神経形成に機能的に重要であるコリプレッサーの役割はまだ不明である。これまでの研究で、SMRT(別名NCoR2、nuclear receptor co-repressor 2)とNCoRはいずれもさまざまな発生過程で発現していることが明らかにされているものの、神経形成におけるSMRTコリプレッサーの特異的な役割についてはまだわかっていない。本論文では、前脳の発生と神経幹細胞状態の維持におけるSMRTの重要な役割について報告する。SMRT遺伝子欠損マウスでの一連のマーカーを用いた解析で、レチノイン酸依存性とNotch依存性の前脳発生のどちらの作用においても、SMRTが機能的に必要であることが明らかになった。単離した大脳皮質前駆細胞では、リガンドがない状態でのニューロン形成経路に沿ったレチノイン酸受容体依存性の分化誘導を阻害するために、SMRTが必須であることが示された。今回得たデータから、SMRTは、jumonjiドメインをもつ遺伝子JMJD3の発現を抑制することがわかった。この遺伝子はレチノイン酸受容体の直接の標的であって、JMJD3はヒストンH3のトリメチルK27のデメチラーゼとして機能し、神経形成プログラムの特異的な構成成分を活性化できる。 Full Text PDF 目次へ戻る