Letter 量子情報科学:離れた単一原子量子ビットの量子もつれ 2007年9月6日 Nature 449, 7158 doi: 10.1038/nature06118 量子情報科学には、量子系に符号化された情報の保存、操作と通信が関係する。量子系では重ね合わせと量子もつれの現象によって、古典系に可能な事態を超えた結果が得られる。大規模な量子情報プロセッサーは、通常固定した量子ビット(キュービットと呼ばれる)の形をとった安定でアドレス可能な量子メモリーと、巨視的、あるいは地理的に距離の離れたメモリー間で量子情報を転送し、そして量子もつれを起こす手段を必要とする。原子系は、適切な内部電子状態が非常に長い時間スケールにわたってキュービットをコヒーレントに蓄積できるため、優れた量子メモリーになる。一方、光子は、摂動をほとんど受けずに大きい距離横断できることから、遠く離れたキュービット間に量子情報を送達するための天然のプラットフォームとなる。最近、光子チャネルを通した小さい原子気体サンプル間の結合(光と原子との量子もつれ生成など)、また、遠くの場所にある原子集団間の量子もつれの特徴の観測などが大きく進展した。原子集団とは対照的に、単一原子の量子メモリーは、光子チャネルを通した条件付き量子ゲートが実現でき、これは量子計算のための重要な条件となる。こういう目的で、個々の原子が共振器中の光子と結合されたり、また、トラップした原子が自由空間に放出される光子とリンクされたりしている。本論文では、1メートル離れた2個の固定した単一原子量子メモリー間の量子もつれを実証した。離れた位置にトラップした2個の原子イオンは各々単一の光子を放出し、これらの光子を干渉させ、検出することで原子キュービットの量子もつれの兆候を知ることができる。我々はほぼ完全な検出効率でキュービット相関を直接測定して、量子もつれを起こした対を評価した。この量子もつれ法は確率的であるが、それでも原理的には、この後に続く量子操作やスケーラブルな量子情報の応用に有用である。 Full Text PDF 目次へ戻る