Letter 細胞:感覚有毛細胞の先端糸フィラメントはカドヘリン23とプロトカドヘリン15の相互作用により形成される 2007年9月6日 Nature 449, 7158 doi: 10.1038/nature06091 内耳の有毛細胞は、機械刺激センサーで音波や頭の動きによって生じた機械的力を電気化学シグナルへと変換し、聴覚や平衡感覚を生じさせる。有毛細胞はそれぞれ、頂端部表面に一束の不動毛をもつ。機械-電気変換は、不動毛の先端近くの細胞外にある先端糸付近で起こる。この先端糸は不動毛をつないでおり、機械-電気変換チャネルのゲートとして働くと考えられている。先端糸の組成についての最近の報告では、その特性や機能が一致していない。今回我々は、ヒトの先天性難聴に関係する2種類のカドヘリンが相互作用して先端糸を形成することを明らかにした。げっ歯類の有毛細胞を用いた免疫組織化学的研究により、カドヘリン23(CDH23)とプロトカドヘリン15(PCDH15)がそれぞれ、先端糸の上部と下部に位置することがわかった。この2つのカドヘリンのアミノ末端は、先端糸上で同じ位置に存在する。生化学的実験から、CDH23のホモ二量体がPCDH15のホモ二量体とトランスに相互作用して、先端糸と類似した構造の繊維を形成することが示される。先端糸の構造に影響するイオンや、劣性遺伝性難聴を引き起こすPCDH15遺伝子の変異は、CDH23とPCDH15の相互作用を崩壊させる。今回の研究によって先端糸の分子組成が決定され、これは、CDH23とPCDH15の変異に伴う感覚障害の仕組みを解明する基盤となる。 Full Text PDF 目次へ戻る