Letter 細胞:マウス胚盤葉上層由来の新たな細胞系はヒトの胚性幹細胞と共通する典型的な特徴をもつ 2007年7月12日 Nature 448, 7150 doi: 10.1038/nature05972 ヒト胚性幹(ES)細胞の医学および生物学への応用は、出発点となる細胞集団についての理解に本質的に依存している。ヒトのES細胞とマウスのES細胞は異なっており、どちらの細胞タイプも特定の胚性起源は明らかではない。従来の研究では、マウスのES細胞は子宮着床前の胚からのみ得られると考えられていた。本論文では、着床後の胚で胚本体を形成する組織である胚盤葉上層から細胞系が得られることを示す。我々がEpiSC(post-implantation epiblast-derived stem cell)と名付けたこの細胞は、多分化能性を制御することが知られている転写因子を発現し、ゲノム完全性を維持し、主要な体細胞型および始原生殖細胞に確実に分化する。EpiSC系は、エピジェネティックの状態と分化を制御するシグナルの点でマウスES細胞とは異なる。さらに、EpiSCとヒトのES細胞では、通常は胚盤葉上層で機能する遺伝子発現とシグナル応答のパターンが共通している。今回の結果は、胚盤葉上層細胞は安定した細胞系として維持が可能であり、多分化能性細胞が発生の初期にどのようにして異なる運命をたどるようになるかを解明するための実験材料となることを示している。 Full Text PDF 目次へ戻る