Letter 細胞:細胞分裂抑制因子によるアフリカツメガエル卵の分裂停止にはp90rskによるErp1のリン酸化が必要である 2007年4月26日 Nature 446, 7139 doi: 10.1038/nature05696 脊椎動物の卵の減数分裂細胞周期は、受精するまで細胞分裂抑制因子(CSF)とよばれる細胞質活性によって減数第二分裂の中期で停止している。CSFは、減数分裂と有系分裂の調節タンパク質である分裂期サイクリンの分解を引き起こすユビキチンリガーゼ後期促進複合体/サイクロソーム(APC/C)を阻害する。最近の研究から、APC/Cの阻害タンパク質Erp1/Emi2が、CSF停止の成立および維持に必須な役割を担うことが示されているが、p90リボソームS6キナーゼ(p90rsk)の活性化を介してCSF停止を成立させるのに必須な役割を担うマイトジェン活性化プロテインキナーゼ(MAPK)キナーゼであるMosとErp1/Emi2との関係は不明である。本論文では、ツメガエルXenopus卵のErp1はp90rskの基質であり、p90rskによるErp1のThr336、Ser342およびSer344のMos依存的なリン酸化が、減数第二分裂期でのErp1の安定化と卵母細胞のCSF停止成立に極めて重要であることを報告する。CSF停止卵抽出液を用いた半定量的分析から、Erp1のMos依存的なリン酸化は、Erp1の分裂中期停止維持活性を増強させるのであり、新たに活性を生じさせるのではないことが明らかとなった。また、我々の結果は、Erp1はカルボキシ末端にある分解シグナル(destruction box)を介してAPC/Cに結合することでサイクリンBの分解を阻害し、この結合がMos依存的なリン酸化によって促進されることも示している。以上のように、MosとErp1は協同してツメガエル卵の減数第二分裂中期での停止を確立し維持する。MosとErp1との連携は、脊椎動物の未受精卵におけるCSF停止の分子機構を包括的に説明するものである。 Full Text PDF 目次へ戻る