Letter 医学:心臓への圧負荷によるp53の誘導がHif-1の抑制によって心機能異常を引き起こす 2007年3月22日 Nature 446, 7134 doi: 10.1038/nature05602 心肥大は、心機能を維持するために、心仕事量増加への適応現象として起こる。しかし心肥大が持続すると心不全が引き起こされるが、この機序はほとんど明らかになっていない。本論文では、心臓での血管新生が適応現象としての心肥大の形成に関与すること、また、p53の蓄積が心肥大から心不全への移行に重要であることを示す。心臓への圧負荷によって、最初に、低酸素誘導因子-1(Hif-1、hypoxia-inducible factor-1)依存的な血管新生因子が誘導され、心臓での血管の成長が促進された。血管新生の抑制は、心肥大の形成を防ぎ、収縮機能障害を引き起こした。心臓への圧負荷が持続すると、p53の蓄積が誘導され、Hif-1活性が抑制された。その結果、心臓での血管新生が低下し、収縮機能が損なわれた。逆に、血管新生因子の導入あるいはp53蓄積の抑制によって、心臓での血管新生を促進すると、慢性的な圧負荷条件において心肥大がさらに進展したが、心機能は維持された。これらの結果は、p53の抗血管新生作用が、心肥大から心不全への移行に重要な役割を果たしている可能性を示している。 Full Text PDF 目次へ戻る