Article 有機化学:保護基を用いない海洋天然物の全合成 2007年3月22日 Nature 446, 7134 doi: 10.1038/nature05569 有機合成の分野はこの50年間で極めて大きな進歩を遂げたが、生物学や医学の研究に用いる複雑な分子が十分な量得られる合成経路の設計はまだむずかしい問題である。そのため、全合成では可能なかぎり効率的に天然物を調製することが中心となりつつある。本論文では、hapalindole、fischerindole、welwitindolinone、およびambiguineの各ファミリーに属する化合物を、それぞれ保護基を利用することなく分取スケールでエナンチオ選択的に全合成したことを報告する(保護基を用いると合成のコストと複雑さが大幅に増大する)。この方法により、従来はミリグラム単位のラセミ体の合成に20段階以上の工程を要していた分子を、10段階以下の工程で単一の鏡像異性体として大量に合成できるようになった。今回実証した一般的原理を拡張すれば、ほかの複雑な分子構造も保護基を用いずに合成できるようになると考えられる。 Full Text PDF 目次へ戻る