真核細胞では、多くの短寿命タンパク質はLys48リンクユビキチン鎖(ユビキチンがそのLys48を介して次々と結合することにより形成されたユビキチン鎖)が連結されるとプロテアソームで分解される。このユビキチン化には、活性化酵素(E1)、連結酵素(E2)、リガーゼ(E3)が必要である。ユビキチンリガーゼの大半はHECT(homologous to E6-associated protein C terminus)ドメインかRING(really interesting new gene)ドメインを用いてポリユビキチン化を触媒するが、E3の触媒機構はほとんど解明されていない。今回我々は、マウスのUbe2g2(E2で、ヒトのUbe2g2とアミノ酸レベルで同一)とヒトgp78(E3)とを用いて、この過程を詳しく調べた。Ube2g2/gp78は、誤って折りたたまれた小胞体(ER)タンパク質を分解するのに不可欠な小胞体関連連結系にあたる。大腸菌で組み換えタンパク質を発現させることにより、Ube2g2/gp78を介したポリユビキチン化には、Ube2g2の触媒作用をもつシステインのところにあらかじめ形成されたLys48リンクユビキチン鎖がかかわることがわかった。Ube2g2に結合したユビキチン鎖の伸長は、それぞれ活性部位にユビキチン鎖が結合した2個のUbe2g2分子の間でのアミノ分解による転移反応によるらしい。基質のポリユビキチン化は、あらかじめ形成されたユビキチン鎖がUbe2g2から基質のリシン残基へと移動するという興味をそそる方法によって行われている。