Letter ボツリヌス神経毒素Bによる細胞表面受容体認識の構造基盤 2006年12月21日 Nature 444, 7122 doi: 10.1038/nature05411 ボツリヌス毒素(BoNT)は強力な細菌毒素で、神経伝達物質放出を阻害することによりフェムトモル濃度で神経麻痺を引き起こす。BoNTがガングリオシド、およびBoNTの侵入を媒介するタンパク質受容体の両方と相互作用することで神経終末を認識するという「二重受容体」モデルが提案されている。7種のBoNT(亜型A-G)のうち、BoNT/A、BoNT/B、BoNT/Gの受容体と推定されるものが同定されているが、認識を決定づける分子的詳細は不明確なままである。今回我々は、シナプトタグミンII(Syt-II)の認識ドメインと複合体を作っている全長BoNT/Bの2.6Å分解能での結晶構造を報告する。複合体の構造から、Syt-IIは短いへリックスを形成し、それがBoNT/Bの結合ドメイン内の疎水性の溝に結合していることが明らかになった。さらに、Syt-II上のこの界面内のアミノ酸残基を変異させると、BoNT/Bの結合に影響がある。構造と配列の解析により、この疎水性の溝はBoNT/GとBoNT/Bの2つの亜型で保存されているが、ほかのクロストリジウム神経毒では異なることがわかった。さらに、ガングリオシドGT1bを使った分子ドッキング解析から、ガングリオシドの結合部位は以前に提案されたよりもずっと広く、BoNT/Bとシナプトタグミンの両方と接していることが示された。これらの結果から、BoNTによるタンパク質受容体認識の仕組みについて構造的知見が与えられ、毒素-受容体認識を阻害するための有望な標的が明らかとなった。 Full Text PDF 目次へ戻る