Letter 自由中性子の放射性崩壊モードの観測 2006年12月21日 Nature 444, 7122 doi: 10.1038/nature05390 量子電気力学(QED)理論は、中性子の陽子、電子、および反ニュートリノへのベータ崩壊に軟光子の連続スペクトルが伴うと予測している。この内部制動放射分岐は過去に原子核のベータ崩壊と電子捕獲崩壊で測定されているが、自由中性子崩壊ではこれまで観測されたことがなかった。最近、中性子放射性崩壊に対する光子エネルギースペクトルと分岐比が、2つの方法、すなわち標準的なQEDの枠組と、重いバリオンのカイラル摂動論(量子色力学の対称性を基にしたハドロンの有効理論)を用いて計算された。QED計算は核子を点状粒子として扱い、後者は核子の構造による影響を系統的なやり方で含める。本研究では、自由中性子の放射崩壊モードを、放出される電子、陽子の両方と光子の同時計測を行うことにより観測した。15 keVと340 keVの間のエネルギー領域で分岐比を(3.13±0.34)×10−3(68パーセントの信頼度)と決定した。この領域での不確定性は主に系統的な効果から生じる。この値は両理論による予測結果と一致する。放射光子のエネルギースペクトル特性も、非相関の背景スペクトルとは異なり、計算によるスペクトルとよく一致する。この結果によって、中性子ベータ崩壊に関係する弱い相互作用過程をより詳細に研究する機会がもたらされるだろう。 Full Text PDF 目次へ戻る