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A型インフルエンザウイルスの核タンパク質がオリゴマーを形成してRNAに結合する仕組み

Nature 444, 7122 doi: 10.1038/nature05379

A型インフルエンザウイルス、特に現在広まりつつあるH5N1鳥インフルエンザウイルスは、世界の公衆衛生に対する深刻な脅威である。A型インフルエンザウイルスの核タンパク質は、ゲノムがらせん状のリボ核タンパク質複合体となるための足場を形成し、ウイルスRNAの複製に重要な役割を果たす。本論文では、この核タンパク質の分解能3.2Åでの結晶構造を報告する。全体の形は三日月型で、頭部と胴体ドメインを1つずつもち、タンパク質の折りたたみ方はラブドウイルスの核タンパク質とは異なっている。インフルエンザウイルスの核タンパク質のオリゴマー形成は、柔軟な尾部ループが隣接分子の内部に差し込まれることによって起こる。尾部ループが柔軟なために、核タンパク質は剛直なヘリックス構造だけでなくゆるやかな構造の多量体をも形成でき、核タンパク質の機能には、この両方の構造が重要である。尾部ループにアミノ酸残基1個の変異が起こると、核タンパク質のオリゴマー形成はまったく起こらなくなる。核タンパク質オリゴマーの外側には、頭部ドメインと胴体ドメインの間にRNAが結合する溝があり、その内側を覆うようによく保存された塩基性残基が並んでいる。これらの残基は、一次配列では広い範囲に点在している。この核タンパク質の構造から、核局在化シグナルであるとされる2つのシグナルのうちの一方だけが接近可能であることが明らかであり、また、ウイルスポリメラーゼの結合部位は胴体ドメインに含まれると考えられる。今回の結果は、この尾部ループにある結合ポケットが抗ウイルス薬開発の標的となる可能性を示している。

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