Article Dll4の阻害により非生産的な血管形成が促進され腫瘍の増殖が抑制される 2006年12月21日 Nature 444, 7122 doi: 10.1038/nature05355 腫瘍の増殖には、それに伴う宿主の血管系の拡張が必要であり、腫瘍の進行は血管密度と相関することが多い。血管内皮増殖因子(VEGF)は、腫瘍の血管形成の誘導因子として、その特徴の解明が最も進んでいる。我々は、VEGFが腫瘍内皮でのDll4(Delta-like ligand 4)の発現を動的に調節することを報告する。Dll4は、これまでに胚での正常な血管の発生に絶対に必要とされることが示されていた。腫瘍の血管形成におけるDll4の機能を明らかにするために、我々はいくつかの手法を使用して、マウスの腫瘍モデルでこの経路を操作した。本論文では、Dll4経路の阻害により、血管形成で萌出および分岐が高まることに関連して、腫瘍の血管が明らかに増加したことを示す。意外なことに、この増加した血管は流量が少なくて低酸素状態が非常に強く、また最も重要なことに腫瘍の増殖を抑えるといった非生産的な特徴をもち、抗VEGF治療に抵抗性の腫瘍においてさえこうした特徴がみられた。したがって、VEGFによって誘導されるDll4は、腫瘍の血管形成の負の調節因子として機能している。つまり、その阻害により、腫瘍の増殖と血管密度の関連が顕著に崩れることになり、このことは、抗VEGF治療に抵抗性のある腫瘍にも使える新規な治療アプローチを示唆している。 Full Text PDF 目次へ戻る