Letter

単一分子接合コンダクタンスの分子コンフォメーション依存性

Nature 442, 7105 doi: 10.1038/nature05037

単一分子が能動電子部品として機能する可能性が初めて示唆されて以来、単一分子の電荷輸送特性を測定するために多くの手法が開発されてきた。高真空条件下の走査型トンネル顕微鏡観察では電子輸送を安定に測定できるが、金属‐分子‐金属接合の形で結合した単一分子の測定では、たいてい比較的大きなコンダクタンス変化が示される。その結果、そのような接合部での分子のふるまいに関する単純な予測ですら、まだ厳密に検証されていない。例えば、単一分子中を流れるトンネル電流がその分子のコンフォメーションに依存することはよく知られており、この効果を立証した実験もいくつかある。しかし、接合部のコンダクタンスが分子コンフォメーションに関してどのように変化するのかについての全体像は、まだ得られていない。2個のフェニル環がC-C単結合でつながった簡単なビフェニル分子の場合は、コンダクタンスは2個の環の間の相対ねじれ角とともに変化し、平面コンフォメーションでコンダクタンスが最大になると予想される。今回我々は、アミン結合基を用いて、より再現性の高い電流‐電圧特性をもつ単分子接合を形成した。これにより、環置換基を変えて分子のねじれ角を変化させた7種のビフェニル分子について個別に数千回の測定を行い、平均コンダクタンス値を得ることができた。その結果、この一連の分子のコンダクタンスはねじれ角の増加とともに減少し、π共役ビフェニル系を通じた輸送について予測されたコサイン二乗関係に一致することが見いだされた。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度