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シグナル配列が細菌の表面タンパク質の局所的分泌を誘導する

Nature 442, 7105 doi: 10.1038/nature05021

生きている細胞はすべて、タンパク質を細胞表面へ運ぶ特別な仕組みを必要としている。真核生物では、この過程の第一段階には、小胞体でのアミノ末端シグナル配列の認識とSecトランスロコンを介した輸送がかかわっているが、続いて起こる細胞表面の別々の場所への選択的輸送は、タンパク質内部のソーティングシグナルによって進められる。細菌ではN末端のシグナル配列が、細胞全体を囲む細胞膜を越える輸送を進める働きをしているが、一部のタンパク質は細胞の一部からだけ分泌され、その仕組みはよくわかっていない。今回、グラム陽性の病原菌であるStreptococcus pyogenesの局所的な分泌について調べ、Mタンパク質とタンパク質F(PrtF)という2種類の表面タンパク質のシグナル配列が、分泌が細胞内の異なった領域から起こるように働くことを明らかにした。Mタンパク質のシグナル配列は分裂隔壁での分泌を誘導し、PrtFは古い極での分泌を選択的に誘導する。今回の研究は、シグナル配列には分泌を促すという従来の役割に加えて、細胞の一区画でタンパク質分泌を起こさせるための情報が含まれている可能性を示している。この知見から、タンパク質輸送の新たな複雑性が明らかになり、また細胞生物学の基本的問題の解析に細菌の系が使える可能性がはっきりした。

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