Letter 植物の液胞では硝酸塩/プロトン対向輸送体AtCLCaによって硝酸塩が蓄積される 2006年8月24日 Nature 442, 7105 doi: 10.1038/nature05013 硝酸塩はほとんどの植物にとって重要な窒素源であり、肥料として広く使われる結果、主要な淡水汚染物質となっている。植物は成長に硝酸塩を必要とし、その大半を中央液胞に貯蔵する。塩素チャネル(CLC)タンパク質ファミリーの中には、電気魚のClC-0や哺乳類のClC-1のような陰イオンチャネルがある一方、細菌のClC-ec1および哺乳類のClC-4、ClC-5は、細胞内の機能が不明なCl-/H+交換体であることが最近確認された。植物のCLCファミリータンパク質は、硝酸塩の恒常性に関与する陰イオンチャネルとする説があるが、植物のCLCによる陰イオン輸送の直接的な証拠はいまだ得られていない。今回我々は、シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)のCLCa(AtCLCa)が細胞内の膜である液胞膜に局在していることを示す。液胞膜は電気生理学的な研究を行いやすく、陰イオン輸送能を示す直接的な証拠が得られた。AtCLCaは液胞内に硝酸塩を特異的に蓄積することができ、NO3-/H+交換体として機能していることが実証された。我々の知るかぎり、植物CLCの輸送活性が解明され、CLCタンパク質の対向輸送機構が本来の膜系で検討され、その特性が生理学的機能と直接結びつけられたのは、今回が初めてである。 Full Text PDF 目次へ戻る