Letter 中心体の複製を1回の細胞周期あたり1回に制限する機構 2006年8月24日 Nature 442, 7105 doi: 10.1038/nature04985 中心体は微小管細胞骨格を組織化する働きをもち、一対の中心小体とその周りにある中心小体周辺物質でできている。細胞周期が始まるときには細胞の中心体は1個で、有糸分裂の前に1回倍加する。倍加の際には、新しい中心小体が元からあった中心小体に対して直角方向に成長し、元からあった中心小体と(きちんと向かい合って)結合したままでいて、有糸分裂後期あるいはG1期初期になって初めて解離する。中心小体の結合/解離と中心小体の倍加能力との関係は解明されておらず、これらの過程の制御機構も明らかになっていない。今回、中心小体の解離には有糸分裂後期にプロテアーゼであるセパラーゼが必要なことと、この解離が次の細胞周期における中心小体の倍加を「許可」する役割をしていることを明らかにする。アフリカツメガエルの卵抽出物と精製した中心小体を使って、中心小体の解離と中心小体の成長の両方が起こるin vitro系を作成した。後期に起こる中心小体の解離は、有糸分裂からの離脱やCdk2/サイクリンE活性に依存しないが、後期促進複合体とセパラーゼを必要とする。解離とは対照的に、新しい中心小体の成長は間期に起こり、Cdk2/サイクリンE依存性で、既に解離している中心小体が必要になる。このことから、1回の細胞周期の間に中心小体が再度倍加するのを防いでいるのは、中心小体の結合そのものであると考えられる。このように、倍加の「許可」を後期に行い、S期の新しい中心小体の成長と時間的に分離することによって、中心体の倍加が「1回限り」に制御できるのだろう。また、中心小体の解離と姉妹染色分体の分離の両方にセパラーゼが関与することは、中心体の解離が後期に先だって起こって多極紡錘体が生成したり、ゲノムが不安定化したりするのを防いでいるのだろう。 Full Text PDF 目次へ戻る