Letter 磁性金属における自発的なスキルミオン基底状態 2006年8月17日 Nature 442, 7104 doi: 10.1038/nature05056 1950年代以降、連続場中における計数可能な粒子の出現をどのようにして説明するかという問題が、ハイゼンベルクらによって研究されてきた。安定な局在した場の配置は、素粒子に関する場の一般理論の要素として探索されたが、非線形場のモデルの大部分はそのような配置を予測できなかった。例外として、Skyrmeは核子を局在状態、いわゆる「スキルミオン」として記述することに成功した。スキルミオンは微視的なスケールから宇宙論的スケールまでの非線形連続体モデルを特徴づけている。スキルミオン状態は非平衡条件下で、また、外場によって、あるいはトポロジカルな欠陥が増大して安定になったときに観測される。こうした例として、古典的な液体のチューリングパターン、量子ホール磁性体のスピンテスクスチャー、あるいは液晶のブルー相がある。しかし、スキルミオンは、磁性物質では強磁性や反強磁性秩序のような自発的な基底状態を形成できないと一般に考えられていた。本論文では、この考えは誤っており、スキルミオンテクスチャーはカイラル相互作用が存在する凝縮物質系において、外場の支援や欠陥の増大がなくても、自発的に形成されることを理論的に示す。我々は、実験で決定可能ないくつかの物質に特有のパラメーターを使い、現象論的な連続体モデルによってこれを証明した。このモデルは今まで考察されていなかった条件を1つ含んでいる。すなわち、例えば金属磁性体に特徴的なように、磁化振幅が緩やかに変動することを認めている。このモデルは、自発的なスキルミオン格子基底状態は多数の物質、特に表面や薄膜に広く存在し、また空間反転対称性が失われてカイラル相互作用が生じるバルク化合物にも存在することを示唆している。 Full Text PDF 目次へ戻る