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火星の南極の季節的氷冠中の「謎の領域」には透明なCO2氷の特徴は認められない

Nature 442, 7104 doi: 10.1038/nature05012

火星の極の季節的氷冠は、主にCO2氷から成る。南の季節的氷冠では、春の始めから中頃にかけて、アルベドの低い(<30%)領域が観測されている。この「謎の領域」の温度が低いのは、ほぼ純粋なCO2氷の透明なスラブ(厚板)によるもので、この氷の下の地表が光を吸収する結果、アルベドが低くなると考えられてきた。本論文では、南極の季節的氷冠の近赤外線撮像分光について報告する。CO2氷の厚く透明なスラブについて予想される、CO2による近赤外域の深く広い吸収バンドは観測されない。観測されたスペクトルについて構築されるモデルからは、CO2氷層の表面付近に広がる塵による汚染がアルベドの低い原因であると考えられる。この汚染は、大気の循環パターンと関連している可能性がある。CO2吸収強度は春の中頃以降に増加するので、塵の一部はCO2氷の昇華過程の間に運び去られるか、氷層中のより深い場所に埋没するのだろう。

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