Letter 火星の南極の季節的氷冠内にある半透明な氷スラブ下での昇華により生じるCO2ジェット 2006年8月17日 Nature 442, 7104 doi: 10.1038/nature04945 火星の極冠は、火星上で最も動的な領域に属しており、冬季には大気のかなりの割合がCO2氷の形に凍結するため、著しく成長する。春と夏の間に南極の季節的CO2氷冠が後退するにつれ、斑点や扇形、染み状の異常に暗い模様が形成される。氷が消えると、小さな放射状で網目状の溝と斑点の位置とが関連づけられることが多い。斑点は、氷の溶けたむきだしの地面であると簡単に考えられてきたが、溝形成についてはよくわかっていない。本論文では、赤外線および可視光観測から、斑点や扇形は夏になってもCO2氷の温度を十分に保っており、氷の表面に上がってきた顆粒状の物質と考えられ、これらがそこまで到達するには一連の複雑な過程が必要となることを示す。季節的な氷冠は、透過性のない半透明なCO2のスラブを形成し、底部が昇華してスラブの下に高圧のガスが蓄積されていると考えられる。このガスは氷を浮揚させているが、やがて氷が裂けて高速度のCO2の噴出口ができ、そこから砂粒大の粒子のジェットが噴出して斑点を形成し、浸食により溝を作る。このような過程は地球上でみられるいかなる現象とも異なっている。 Full Text PDF 目次へ戻る