Letter GaAsにおけるMnの原子1個ずつの置換およびそれらの正孔を媒介とする相互作用の視覚化 2006年7月27日 Nature 442, 7101 doi: 10.1038/nature04971 MnドープGaAsにおける強磁性の発見は、電子スピンに基づいた半導体技術の開発への関心を引き起こし、スピントロニクスの概念を実証するいくつかのデバイスにつながった。強磁性転移温度が室温より低いことは、Ga1-xMnxAsなどの希薄磁性半導体を実際に応用するうえで、大きな障害であり続けている。半導体の強磁性を増強するには、Mnなどの磁性ドーパント間の相互作用の機構を解明し、強磁性相互作用が最大となる状況を特定する必要がある。今回我々は、走査型トンネル顕微鏡(STM)を用いて1原子ずつ(atom-by-atom)置換を行う方法について述べる。またこの方法を応用して、GaAs中の正孔が媒介する孤立したMnアクセプター間の相互作用に関する、原子スケールで制御した実験を行った。高分解能STM測定を用いて、Mn-Mn相互作用に関与するGaAsの電子状態を視覚化し、相互作用の強さを相対位置と方位の関数として定量化した。今回の実験結果は、強束縛モデル計算で説明できるが、強磁性相互作用が結晶方位に強く依存することを明らかにしている。配向したGa1-xMnxAs構造を成長させて、ランダムにドープしたサンプルよりも強磁性転移温度を高くすることによって、こうした異方的相互作用を活用できるかもしれない。 Full Text PDF 目次へ戻る