Letter

タイタンにおけるメタンの霧雨

Nature 442, 7101 doi: 10.1038/nature04948

土星の衛星タイタンには、液体メタンによる水文学的な現象の存在を示唆する、河川作用の特徴をもつ景観がみられる。タイタンにおけるメタンの水文サイクルを解明しようとする最近の努力は、南極付近で時折発生する雲の急増あるいは南半球の中緯度での雲の筋や、それらの形成機構に集中してきた。しかし、いくつかのモデルで予測されたように雲が雨を発生させるのか、また非対流性の雲も存在するのかどうかは明らかになっていない。本論文では、タイタンの対流圏におけるメタンの濃度や温度分布についてのin situデータが、層をなした光学的に薄い層状雲の存在を示すことを明らかにする。データは、上部のメタンの氷の雲と、下部のほとんど見えない液体のメタン-窒素の雲が、間隔を空けて存在することを示している。下部の液体の雲は、地表に到達する霧雨を発生させる。これらの非対流性のメタンの雲は、全球的な大気循環によって保たれる準永続的な特性であり、ゆっくりとした上昇運動が存在するところではどこでもメタンの降雨が発生することを示している。この霧雨は、タイタンのメタンの水文サイクルにおける持続的な成分であり、地表を全球規模でぬらすことより、タイタン地表の地質学的性質に影響の大きい役割を果たしている。

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