Letter 暗黒星雲中では分子状態の窒素の割合が低い 2006年7月27日 Nature 442, 7101 doi: 10.1038/nature04919 窒素は、宇宙で5番目に豊富な元素である。星間物質中では、窒素はほとんど分子(N2)として存在すると考えられてきた。しかし、N2には観測可能な回転遷移や振動遷移がないため、その星間物質中での存在量はほとんどわかっていない。彗星ではN2の存在量は非常に低く、一方窒素の元素存在量は太陽の値に対してみると不足している。さらに、隕石や星間ダスト粒子では大きな窒素同位体比異常が観測されている。本論文では、低温の暗黒分子雲内部でのN2H+の存在量(したがって推測によるN2存在量)について報告する。ガス相の窒素は、分子状態にあるものはわずかな割合で、ほとんどは原子状態にあることがわかった。彗星の組成はおそらく暗黒星雲の組成を反映していると思われるので、この結果は彗星でN2の存在量が低いことの説明となる。もし彗星における原子状酸素の存在量が現在の化学モデルで予測される値よりも低ければ、彗星における窒素元素の存在量が低いことが説明できると考える。さらに、気相の窒素が原子状態にあれば窒素の分別作用が高まることから、分子雲における分子状窒素の欠乏によって、隕石や星間ダスト粒子中での窒素同位体比異常が説明される。 Full Text PDF 目次へ戻る