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IL-23は腫瘍の発生と増殖を促進する

Nature 442, 7101 doi: 10.1038/nature04808

慢性炎症は悪性腫瘍の発生率の増加と関連すると長い間考えられており、また制御機構の類似性は100年以上前から示唆されてきた。例えば、自然免疫系の細胞の浸潤、マトリックスメタロプロテアーゼ活性の上昇、および血管新生や脈管系の密度の増加などは、慢性炎症と腫瘍関連炎症との類似点の例として挙げられる。逆に、腫瘍浸潤性T細胞や上皮内リンパ球の細胞傷害活性に依存した免疫監視機構による早期の悪性腫瘍領域の除去は、がん発生のリスクの律速要因と考えられている。本論文では、腫瘍関連炎症の発生と腫瘍免疫監視の欠如とをつないでいる分子機構について報告する。ヘテロダイマーを形成するサイトカインであるインターロイキン-23(IL-23)の発現はヒトの腫瘍で増加するが、その近縁にあたるIL-12の発現は増加しない。これらのサイトカインの発現は、腫瘍の微小環境における局所の炎症反応や上皮内リンパ球の浸潤を拮抗的に制御している。IL-12が細胞傷害性T細胞の浸潤を促進するのに対し、IL-23はマトリックスメタロプロテアーゼMMP9の発現上昇などの炎症反応を促進し、血管新生を増加させるが、CD8 T細胞の浸潤は抑制する。IL-23の遺伝的あるいは抗体による除去により、形質転換した組織への細胞傷害性T細胞の浸潤が増加し、化学物質による発がんに対し抑制効果が示された。また、移植した腫瘍は、IL-23を除去した宿主やIL-23受容体欠損マウスで増殖が抑制された。がんの免疫治療の大部分が固形腫瘍に対する免疫応答を賦活しようとする方法であるが、腫瘍組織へのエフェクター細胞の浸潤はしばしば重大な障害となっているようである。我々はIL-23が、腫瘍発生を促進する炎症過程と、適応免疫系監視細胞の腫瘍への浸潤の失敗とをつなぐ重要な分子であることを示す。

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