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インフルエンザの世界的大流行を抑制するための戦略

Nature 442, 7101 doi: 10.1038/nature04795

新型インフルエンザの大流行を深刻化させないための戦略展開は、今や世界の公衆衛生における最優先事項の1つである。インフルエンザの予防と封じ込め戦略は、抗ウイルス薬、ワクチンおよび非薬物的手段(患者の隔離、家族の検疫、学校または職場の閉鎖、旅行の制限)などの多様な方策の下で考察することができる。数理モデルは、この介入戦略における複雑な状況を検討し、各種の選択肢をとった際に生じると思われる、コストと利益を定量化するための強力な手段となる。今回我々は英国と米国を例に挙げ、大規模な流行シミュレーションを行って、どのような介入の選択肢をとると新型インフルエンザ大流行の初期の封じ込めが失敗するかを調べた。出入国あるいは国内旅行、もしくはこの両方の制限は、実行率が99%を上回らないかぎり、感染拡大を2〜3週以上遅らせそうにないことが明らかになった。流行ピーク時の学校閉鎖は、発病率のピークを最高40%低減させるが、全体の発病率にはほとんど影響を及ぼさない。一方、患者の隔離や家族の検疫は、実行可能であれば大きな効果を上げることができる。患者の治療により感染を抑制することはできるが、あくまで発症から1日以内に抗ウイルス薬を投与した場合だけである。人口の50%に投与できるだけの治療薬がある場合は、家庭を主体とした予防法と迅速な学校閉鎖とを組み合わせることにより、発病率を40〜50%低減できるだろう。実行上のむずかしさはあるが、さらに広範な予防策をとれば、発病率を75%以上低減できるかもしれない。世界的大流行に先だってワクチンを備蓄しておけば、ワクチンの有効性は低くても発病率を大きく低減できる可能性がある。今後世界的大流行をもたらすウイルス株の特徴が過去の大流行で認められたものと大きく異なっていれば、対策の有効性の推定値は当然ながら変化するだろう。

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