Letter ポアドメインのない電位依存性プロトン選択的チャネル 2006年4月27日 Nature 440, 7088 doi: 10.1038/nature04700 陽イオン選択性イオンチャネルの多くは、細胞膜を介した電位の変化によって開閉が制御される。電位を感知する「リガンド」をもつスーパーファミリーのイオンチャネルは、細菌からヒトまで広く保存され、6個の膜貫通領域(S1〜S6)を持つポリペプチド鎖としてコードされている。S1〜S4は、内蔵型の電位感知ドメイン(VSD)、つまり電位の変化に応じて動く正電荷を帯びたレバーとして機能する。このVSD「リガンド」がリンカーを介してS5とS6ポアドメインである「受容体」に力を伝え、チャネルを開閉する。ホヤ類のVSDタンパク質であるCi-VSPでは、チャネル孔ではなくホスファターゼ活性が制御されることから、VSDがイオンチャネルと関係なく機能することが示唆される。今回我々は、ポアドメインと認識されるものはもたないが電位感受性のプロトン選択性イオンチャネル活性を十分に示す、哺乳類のVSDタンパク質(Hv1)について報告する。Hv1電流は脱分極電位によって活性化され、膜内外のpH勾配に感受性をもち、H+選択性かつZn2+感受性である。Hv1への変異導入により、チャネルの開閉を制御するS4の3個のアルギニン残基と、Zn2+による細胞外からのHv1阻害に必要な2個のヒスチジン残基が同定された。Hv1は免疫組織で発現しており、特徴的な固有のプロトンコンダクタンス(GvH+)をもつ。食作用性白血球では、自然免疫機構による微生物の破壊の基盤になる酸化的バーストのために、GvH+が必要である。これらのデータは、Hv1が長らく探索されてきた電位依存性プロトンチャネルであることを示しており、Hv1を哺乳類VSDタンパク質ファミリーの基礎的メンバーとして位置づけるものである。 Full Text PDF 目次へ戻る